並盛にはとある不良集団がある。皆に恐れられている集団。でも、その集団は決して町を荒らしたりはせず、むしろ、町をどちらかというといい方向へ連れて行っている。…と、私は思う。一応、お寺の周りでたむろしていた不良を病院送りにしたり、学校の遅刻者や、服装のチェックはとても厳しい。
その集団の名前は「並盛中風紀委員会」。
そして私は、その集団の唯一の女の子だったりするのだ。
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私の役目は主に書記。いろんな書類の整理やチェックをしている。
あの、応接室で。
「君、手が止まってるよ」
「あ、はい。すみません…」
そして、いらないオプション、雲雀さんと2人っきり、付きで。
なぜこうなったのだろうとたびたび考えるが、全ての始まりは私の運の悪さだ。クラスで風紀委員を選ぶときの手段がくじびきで、私がはずれを引いた。ただそれだけ。それから、風紀委員になって、女子だからということで書記に回されてしまったのだ。もちろん、大きなミスをすれば今すぐにでも辞めれるであろう事はよくわかっている。だが、あの雲雀さんを前にそんなことが出来るはずがない。
それに、辞めない理由はもう一つある。
手を動かしながら、ちらっと委員長を覗き見る。
皆から最も恐れられている彼。私も最初は怖くて怖くて仕方なかったが、同じ部屋にいるうちに、だんだん彼に対する印象は変わっていった。
ミスをすればもちろん怒るが、ちゃんと手伝ってくれたり、わからないところを教えてくれたりしてくれる。
それだけじゃない。ちゃんと私の話を聞いてくれたりするし、私の元気がない時は気を使ってくれて、早めに帰したりしてくれるのだ(!!)。
きっと彼は、不器用なだけ。そう気づいてからは、彼を恐れの対象としてではなく、一人の男の子と認識できるようになった。
そして、そんな彼を知っているのは私だけ。もしかしたら、草壁さんも知っているのかもしれないが。
そう思うとおもわず顔の筋肉が緩んでしまう。
「ねぇ、さっきから何にやにやしてるの」
「え、私、にやにやしてました?」
「思いっきりね。見てて気持ち悪いよ」
そんなことを言っても、心から思っているだなんて思えなかった。
調子に乗っていると思われるかもしれないが、彼がどんな人かわかっているつもりだ。
「ちょっと、雲雀さんのことを考えてました」
「は?」
「いや、先輩って、優しい人だなって」
「…」
「みんながそれを知ったら、絶対雲雀さん人気者ですよ」
「…僕は群れるのは嫌いだよ。さっさと仕事しなよ」
そう言って彼は、自分の仕事に戻ってしまった。
もしかして、照れてるのかな?そう思うと、また顔が緩みそうになる。
でも、いい加減にしないと怒られそうだ。
は書類に目を戻し、今日の仕事にとりかかった。
風がゆるやかに過ぎて行った。
With you…
(あなたと一緒に)